この地でキツネたちと初めて出会ったのは、桜咲きほこる、春。
大病を患い萎えていた足腰のリハビリにと早朝の散歩のときでした。
進行方向右手、見立山でなにやらガサガサ音がするなと振り向いてみると、後に「ごん」と勝手に命名することになる一匹のキツネがこちらを窺っていたのです。
思えばごんは狐一倍、好奇心の強い子でした。毎朝、通るたんびに出くわすものですから、いつしかお菓子を買って投げてやるようになっていました。
白の毛で全身を包んだ「ふう」と木々の間から忍び寄り、水路を好む「すい」の登場です。
やがてこの三匹は示し合わせたかのように現れ、お菓子を楽しみに朝の散歩に同行するようになりました。
んで、彼らに何を召し上がってもらっているかというと、
それはズバリ軽食です。つまり肉とか魚とか、あからさまに食事に類するものは除外しています。
やっぱり野生のものだから、それをあてにして生きていくようにはならないために・・・勝手な言い草ですかね
とはいえ、魚肉ソーセージとかはたまに放ったりはします。
気になる方のために申し添えておくと、お稲荷さん、油揚げは食べます。それも結構好きみたいです。
果たして好物といえるかどうかわかりませんが、ビスケットのようなものは食感がいいみたいで、シャリシャリと音を立てて満足そうな様子です。
食べ物に関しては、一応調べはしたんです。
その時得た知識によると、どうやら雑食で、食べられる草木やらネズミなんかを普段召し上がっているようですね。一方私が毎朝配給しているものの中には、甘いモンとかも混じっているので、虫歯にならないかが心配です。
ウシタにはマスダ先生という名歯科医がいらっしゃるのですが、多分彼らは診てもらえないでしょう。保険証ないしね。
んでもって、このあたりは猪も出るし、狸はいるし、上空には鳶が舞っているしという状況なのですが、天敵関係とかどうなっているんでしょうね。
一時期見立山が、捨て犬から育った野犬の棲息地になっていたのですが、その危機は今はないみたいです。よう知らんけど・・・あっ、カラスとは上手くやっていけてるかな。